2004年にWindows向けに発売された『I of the Enemy』は、拡大する星間紛争に巻き込まれた指揮官「リル・セラット(Ril'Cerat)」の運命を軸に展開する、SFリアルタイムストラテジーゲームです。物語は一連の軍事作戦を通じて進行し、プレイヤーは敵対的な惑星の数々で異星人部隊を指揮することになります。単一の戦闘が延々と続くのではなく、陣地の防衛から敵拠点の強襲に至るまで、それぞれ異なる目的を持つ戦闘(エンゲージメント)を転戦していく構成となっています。ブリーフィングやミッション中のイベントによって、各作戦が全体的な戦争の中でどのような位置づけにあるのかが示されます。
本作は3次元地形を斜め上から見下ろす視点を採用しており、マップ全体でアクションが展開する中でも、部隊や周囲の地形を常に把握できるようになっています。異星人の建造物や軍事兵器が環境に独特の近未来的な雰囲気を与え、インターフェースからは部隊の選択、命令、戦場情報の確認などが行えます。戦闘中の視認性が重視されており、地形に沿った部隊の隊形を追跡したり、全体的な配置を見失うことなく戦況の変化を把握したりすることが可能です。劇的なSF調のBGMを背景に、武器の発射音や着弾音、移動するユニットの機械音が戦闘の臨場感を高めます。ミッション中の会話やブリーフィングによって紛争の状況が描かれ、指揮官の決断を下すための背景情報が提示されます。これらすべての要素が組み合わさることで、『I of the Enemy』は戦場における指揮統率に焦点を当てた作品となっています。そこでは、慎重な部隊配置と迅速な対応こそが、作戦の成功か、あるいは敵による制圧かを左右する鍵となるのです。